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零(ゼロ)の不思議
0という数字は当たり前のように使っていますが、
6世紀頃、インドで発見されました。
そして、よく考えると不思議な数だと気づきます。
0×3=?
もちろん、答えは0です。
ではなぜでしょうか?
暗記だけでなく、理由もいえるようになりたいものです。
ただ、いきなり0で考えるのではなくて、
2×3=?
あたりで考えることで、0の場合も見通しがつきます。
お皿のうえに2個のりんごが乗っていて、
そのようなお皿が3皿あります。
りんごは合計で6個になります。
ですから、
2×3=6
なのです。
じゃあ、
お皿のうえに0個のりんごが乗っていて、
そのようなお皿が3皿あります。
このときのりんごの個数は0個なので、
0×3=0
となります。
いかがでしょうか?
これは、2×3の場合から、
「類推」して、「意味を見極める」こと
をしました。
これが算数で大事な力なのです。
さらに、別の見方として、
(0+0)×3=0×3
という式を考えます。
いきなり不思議に思われるかもしれませんが、
確かに正しい式ですから、いったん認めます。
左辺を計算すると、元の式は次のような式になります。
0×3+0×3=0×3
両辺から、0×3を引くと、
0×3=0
これが一番数学的に鮮やかな証明法です。
確かに言われてみたら分かるけど、
ちょっとややこしいというイメージがあるかもしれません。
でも、それでいいのです。
実はこれは、
大学の数学科で習う代数学という分野の証明法なのです。
私自身も、大学時代、代数学の「環論」という分野を学んだとき、
鮮やか証明に感銘をうけた記憶があります。
0というのは考えれば考えるほど不思議な数だと思います。
0の不思議さについては、
まっちゃん先生がラジオで語っていますので、
こちらもお聴きください。
というわけで、今回はここまでとなります。